029【Specialist Column】by長井美有紀 「オーガニックコスメのこれからは?」
化粧品業界で、最近“機能性”という言葉が出てきましたが、これは機能性表示食品による影響だと思われます。
機能性というとわかりにくいですが、分類としてはアンチエイジングやホワイトニングなど、昔からあるような分類です。
機能性市場は年々成長を続けています。
最近では、機能性という言葉に便乗してか、オーガニックコスメの分野でも機能性というのが言われるようになりました。ただ、私は兼ねてより注目してきました。
オーガニックコスメとは、日本でも世界でも定義がないのは有名な話。認証ありきでもありません。定義をつけようとしても、すみわけが難しいという点があります。
日本のオーガニックコスメ市場を見てきて、欧米とはまったく違った市場構成があります。
それは、これまで座談会などでお話してきたように、日本では消費者のオーガニックコスメの選び方が欧米とは異なるからです。
これは、オーガニックコスメという言葉が独り歩きしてしまった要因です。
なぜオーガニックコスメが良いというかというと、一般的に最初にでてくる「安心・安全」ではなく(何を持って安心安全というかも定義がまた不透明なところ)、それぞれの思想(考え方)や嗜好で異なってきます。これは消費者の選び方にも影響するものです。
ここのポイントを消費者に広めることが一番の近道だと私は考えます。
私は独自に、日本人向けに斬新なオーガニックコスメのカテゴリーわけを行い、こちらでもも以前ご紹介しています。
- オーガニック原料の配合量(商品形態により異なる)
- 石油由来原料、防腐剤など不使用かどうか
- 環境的視点(工業・家庭排水への配慮、遺伝子組み換え原料不使用、など)
- 社会貢献や国際的視点(女性の社会進出支援、フェトレード、など)
- その他倫理的視点(動物実験しない、など)
無農薬・化学肥料不使用の植物原料を使っているかについては、認証/非認証に限らず、生産団体のサイトやチラシ等でそれぞれ確認することができます。この無農薬などの項目については、野菜などの食品でもいえることですが、「オーガニック≠無農薬」なので、あえて上のカテゴリーには入れていません。
商品の効果や使用感、機能性ももちろんですが、こういった視点でオーガニックコスメを見ていくと、本当に奥が深いものです。
このようにワンランク上の視点で見るのも新しいですよ。
これからの日本のオーガニックコスメ市場の発展に期待しています。
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