018【Specialist Column】by尾崎冨美 「ラスベガスの太陽とネオンに誘われて~恒例のInternational Esthetics, Cosmetics and Spa Conference Las Vegasでエステ・スパ業界のトレンドを吸収」

6月某日。私が住むロスアンゼルスから愛車を飛ばして480キロの道のりを約4時間半のドライブへ向かった先は?夜も眠らない砂漠の街、ネバダ州ラスベガスへ。

今回の目的はギャンブルで一攫千金!ではなく、世界最大級のエステ・スパ商材が集結するコンベンション、International Esthetics, Cosmetics and Spa Conference Las Vegas
この日の最高気温は、摂氏46度の熱風。夜も36度と熱帯夜。ホテルや室内はエアコン設備が万全だが、日差しが半端なく強い為、完全防備で外出しないと一瞬にして肌を痛めてしまう。
今年で24回目を迎える全米最大規模のInternational Esthetics, Cosmetics and Spa Conference は、全米規模のデジタルマーケティング会社Questex Mediaが企画運営。夏のラスベガスでの開催以外に、東海岸ではニューヨークで春に、南東ではフロリダで秋に執り行われている。
今回のコンベンションでは、仕入れを兼ねてラスベガスへ遠出する多くのエステティシャンや美容関係者が集結。日々のサロンワークから離れ、心身共にリフレッシュし、下半期の糧となる絶好の機会である。景気の影響により波はあるが、3日間のコンベンションで毎年約19,000人が来場、メーカーが提供している無料セミナーは150以上に及ぶ。





相変わらずアンチエイジングが大人気のアメリカだが、今年はエステ業界で最もささやかれている、DNA細胞の改善に着目した商品が多く目立った。アンチエイジングの原料としてアメリカ人の間で馴染み深いのが、ビタミンAの脂溶性レチノール(Retinol)。肌へ絶大な効果が期待できる一方で、敏感肌には刺激を伴うことが多いデメリットが生じやすい。一方DNA細胞の改善に着目した商品は、肌質問わず安心して利用でき、多くの美容関係者が目を光らせている。ハリ、ツヤ、弾力に因んだ肌の衰えを遺伝子レベルで瞬時に改善。DNA改善酵素に因んだ主原料で肌を守る働きが期待でき、従来のアンチエイジング基礎化粧品をワンランク上に改良。今後DNA細胞に着目した日焼け止めやメイクや栄養剤など数多くの商品が登場するであろう。



そして過去12年もの間で、アメリカのスパ業界に新しい旋風を巻き起こしているのは、早くて、お手頃感覚で通えちゃうフランチャイズ系サロンの出現。まるでファーストフード感覚だが、狙いは日々忙しく働き盛りの20代前半から40代後半の世代。簡単で、気軽で、安く、楽しくキレイが手に入ることが叶えられる部分別専用サロンが大きな話題を呼んでいる。例えば、全米に40店舗に拡大している髪の毛のスタイリングのみを専門としたDrybar (http://www.thedrybar.com/) をはじめ、カリフォルニアに10店舗を構えるワックス脱毛専門のStript Wax Bar (http://www.striptwaxbar.com/)
そして遅ればせながら「まつ毛エクステブーム」を迎えているアメリカでは、近頃多くのまつ毛専用サロンが目につく。業界初のマツエク専門のフランチャイズ系会社、Amazing Lash Studioも出現し、全米で50店舗以上に展開予定だ。(http://www.amazinglashstudio.com/)
全米の美容、スパ業界の市場規模は USドルにして約147億ドルと言われている。老若男女、いつの時代も美しくなりたい気持ちは相変わらず薄れることなく、常に新鮮で確実性ある情報やスパ商材が期待されることを、今回のコンベンションで実感したように思える、そんなラスベガスでの暑い夏であった。