006【Specialist Column】by長井美有紀 「ひろがるオーガニックコスメ市場の背景には?」<2014.2.20更新記事>

ひろがるオーガニックコスメ市場の背景には?
2013年の化粧品市場規模が発表され、全体で2兆3249億円と見込まれています(富士経済)。
近年の災害や経済ショックなどで落ち込んでいた化粧品市場ですが、2年連続で拡大。チャネル別(流通別)にみても全体的に増加傾向です。専門店やセレクトショップの増加もそれに拍車をかけたと言われています。
ちまたでは、化粧品市場でも増税前の駆け込み需要で百貨店ブランドの高価格帯商品への買い替えや買いだめも懸念されているようで、最後の売り込みも盛んになってくるでしょう。
今日は、これらのニュースを読み、感じたことを書きたいと思います。

特にこのところ急成長を見せているのが、私が以前から力を入れているオーガニック・ナチュラルコスメ市場。専門店の増加などでついに日本でも化粧品市場全体で約13%に成長してきていることはとても喜ばしいことです。この数年で、10%近くも成長してきました。
オーガニックコスメは、これまで20代後半~30代がメインだったのに対して、大手ドラックストアのプライベートブランドが出てきたことから、若年層への普及も進んでいるのでしょうか。安価なものはトライアル需要としても◎ですから、海外で昔からあるような市場形態に、日本も近づきつつあるのではないでしょうか。

私としては、今後はまだ未開拓な40代以上の世代への理解や普及促進も行い、日本全体のオーガニックコスメの普及に力を入れていきたいと感じます。

また、一方の見方として、このプライベートブランドのように、日本発のオーガニックコスメも数年前から少しずつ出てきているようですが、これらが拍車をかけていると言われていますが、私としてはそうは思えません。欧米では、コスメではない基盤になっている産業があるからこそのコスメであることが、知られていません。コスメだけを主流とせずに、今後、本来あるオーガニックコスメらしい、どのような日本発ブランドが出てくるのか楽しみです。


*著者

美容アナリスト ビューティーフードアドバイザー 「健美」食品コンサルタント
長井美有紀